【バレエ物語】シルヴィアのあらすじや原作・振付について

バレエ『シルヴィア』

バレエシルヴィアは、神々と人間の恋の物語です。他の3大バレエやジゼル、ドン・キホーテなどの人気作品に比べて、バレエファンの間でもあまり全幕ものを観ることは少ないですが、コンクールや発表会などでバリエーションを踊られることが多い作品です。

ダンサーにとって、お姫様などの人間ではなく、女神を演じるというのは、役作りが難しい作品でもありますね。

バレエ『シルヴィア』の原作・振付・作曲について

シルヴィアの原作はイタリアの詩人トルクァート・タッソによる「アミンタ」で、1573年に執筆されました。美しいニンフのシルヴィアに恋をする羊飼いの純朴な青年アミンタの物語です。

1876年にルイ・メラントの振り付けでパリ・オペラ座で初演されましたが、当時はあまり人気が出ず、1952年にイギリスのバレエダンサー、フレデリック・アシュトンの振り付けに改訂され有名な作品となりました。

作曲はフランス・ロマン派の作曲家レオ・ドリーブ。優美で繊細な舞台音楽を多く残した作曲家です。シルヴィア以外では、コッペリアの作曲も行いました。

誰もが知るバレエ音楽の代表的な作曲家チャイコフスキーは、「私がもし、もっと早くこの作品に出会っていたら、『白鳥の湖』は作曲しなかった」と友人に話す程、シルヴィアを絶賛したと言われています。




バレエ『シルヴィア』のあらすじ

バレエ『シルヴィア』は女神と人間の恋の物語です。

第一幕

舞台はディアナの聖なる森から始まります。

月と狩りの女神ディアナに仕える精霊(ニンフ)のシルヴィア。純朴な羊飼いのアミンタに見初められていますが、シルヴィアはディアナに仕えてため気づかぬふりを続けます。

精霊たちが愛の神エロスの前で踊っていると、羊飼いのアミンタが誤って入り込んで来てしまいひんしゅくをかいます。シルヴィアは怒りアミンタに矢を向けますが、「人間であるアミンタが精霊であるシルヴィアに恋をしてしまったのは、恋の神であるエロスのせいである」と考え、エロスの像に矢を放ちます。

しかし、エロスをかばって矢を受けてしまったアミンタはその場に倒れこみます。すると、エロスは怒り、シルヴィアに向けて黄金の矢を射ります。この黄金の矢は、シルヴィアがアミンタに恋をするように仕込んだ魔法の矢でした。その矢で射られたシルヴィアは、アミンタを懸命に介助します。この一連を見ていたのが同じくシルヴィアに想いを寄せる悪しき狩人のオリオン。オリオンは、シルヴィアを連れ去ってしまいます。エロスの力によって生きを吹き返したアミンタもシルヴィアとオリオンを追います。

第二幕

オリオンの洞窟に閉じ込められたシルヴィア。悪しき狩人のオリオンは、シルヴィアに求愛しますが、シルヴィアは見向きもしません。まだ酒の味を知らないオリオンにシルヴィアはワインを作り、飲ませて酔い潰します。その隙に逃げようとするシルヴィアですが、オリオンの洞窟の扉はビクともしません。

恋の神エロスに救いを求め、救い出してもらいます。そしてエロスは、シルヴィアの前にシルヴィアを待ち焦がれているアミンタの幻想を見せるのでした。アミンタの幻想を目にしたシルヴィアとエロスは、アミンタのいるディアナの神殿へと向かいます。

第三幕

ディアナの神殿ではバッカス祭が行われています。そこにアミンタの姿はありますが、シルヴィアの姿はありません。そこに、船長に成りすましたエロスがヴェールをつけた女奴隷を連れて現れます。エロスに命じられた女奴隷は踊りを踊り、その姿にアミンタは心惹かれますが、すぐにシルヴィアの事を思い出し留まります。

エロスによって女奴隷のヴェールが外されると、なんと女奴隷に扮していたのはシルヴィアでした。2人は再会し、愛を確かめ合います。しかし、愛を確かめ合ったのもつかの間。シルヴィアを追ってきたオリオンが斧をもって襲いにかかります。その姿を見ていた女神ディアナは怒り、オリオンを打ちのめすのでした。

ようやく愛し合えると思えたシルヴィアとアミンタでしたが、女神と人間の恋に女神ディアナの許可がおりません。すると、恋の神エロスは、ディアナがかつて恋をした人間のエンディミオンの幻想を見せるのです。かつて自分が人間へ恋をしていたことを思い出したディアナはようやく、シルヴィアとアミンタの交際を認め、2人は神意のもとで結ばれました。




めずらしいハッピーエンド

バレエのお話って、特にくるみ割り人形や眠れる森の美女のようなロマンティックバレエを除くと、意外とハッピーに終わらない物語が多いですよね。ジゼルは嫉妬に狂って死んでしまうし、シルフィードも妖精と人間の禁断の恋の結果、息絶えてしまいます。なので、シルヴィアはハッピーエンドで本当に良かった。

私たちの周りにも、もしかしたら恋の神エロスのような存在がいるかもしれないですね♪

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする